平成という時代が平成30年を最期に新しい時代が来ます。2019年1月1日に皇太子が新たな天皇に即位する方向で政府および政府関係機関が動き出しています。そこで今上天皇陛下が退位された後のご住居が巷に話題に上がることがります。
個人的な話
少し個人的な話をするので必要ない方はこの段落を読み飛ばして下さい。今から10数年前(2005年ころ)、まだ私が東京にいた頃、学生時代から仲の良かった友人たちと酒を飲みながら談笑していた時に私が「天皇陛下は京都に戻られるべきだよ。」と言うと、友人たちが「そのことを論文に書くか、本にでもしろよ。」と笑いながら言ってました。そのことを今でも色濃く覚えています。その当時はまだ今上陛下の健康問題等は全く話題になっていませんでしたが、多からず日本の歴史を囓ったことのある私としては明治天皇が東征で東京に行かれただけで、いつか必ず天皇が京の都にお帰りになるときが来るのだと思い続けていました。
上皇を京都に
上皇の新居
現在、問題提起されているのは天皇陛下のお住い、つまり御所を含む皇居のことではないことはわかっています。また、問題提起されているのは、退位後の今上天皇のお住いであることもわかっています。私が望む理想は前段に記した通り、皇居を京都に戻すということです。しかしながら、急進的に物事を計らうことは失敗につながります。よって、まずは退位後の天皇、つまり上皇が京都にお住まいになる、という段階を踏むべきであると思います。
南北朝の再現はない
上皇が京都に、天皇が東京に、という状態になれば、南北朝時代のようになるのではないか、という意見があります。しかし、私から言えば笑止千万です。なぜなら現在の天皇は象徴であり政治には一切関与しないということは憲法で規定されているからです。南北朝時代は天皇を中心に政(まつりごと)が行われており、現代の象徴天皇とは在り方が違うのです。
東京・京都・大阪の三都体勢こそ日本の理想
これからの日本の繁栄を考えた時に、東京、京都、大阪の在り方はどうするべきでしょうか。東京=政治、京都=文化、大阪=経済という枢軸を目指していくのが良いと私は考えています。政治・文化・経済が東京に集まることが問題提起されています。いわゆる東京一極集中です。そもそも一つの都市に文明が集中した後、その国及び文明が滅亡することは歴史的に明らかです。逆に一つの都市に文明が集中していない国の代表と言えば、現代のアメリカになるでしょう。政治=ワシントン、経済=ニューヨーク、文化=ロス・アンジェルスがそうなっています。現代の中国も、政治=北京、経済=上海、文化は勉強不足でわかりませんが少なくとも政治と経済を北京と上海に分散しています。現世界で繁栄する双璧は上手に各機能を各都市に分散しているのです。米中の首都に万が一、危機が訪れても他の都市が他の機能で補えることができる可能性が高いのです。一方、機能が集中する東京が天災・人災によって崩壊したとき、そのときが日本の崩壊を意味しています。よって東京一極集中は日本にとって極めて危険であり、解消しなければならないのです。
東京一極集中問題の解消
そこで、まずは文化の中心を東京から京都に移す(戻す)機会が、上皇のご住居を京都にすることであると思います。それは機が熟せば皇居を京都に移す(戻す)という前段階になるのです(大阪を経済都市にするという議論は別の機会に書きます)。日本の成り立ちを紐解くと、皇室それ自体が日本の国そのものであり、日本文明そのものであるので、京都がその場になるということは、文化の中心が京都になるということになります。そして東京一極集中問題が解消されていくと思われます。
京都は準備できている
京都には京都御所があり、皇室をお迎えする準備はおおよそ整っています。日本の繁栄のためにも退位後の今上天皇には是非京都にお帰りになって欲しいです。